心付けを断られた時のスマートな対応
近年、コンプライアンスの強化や透明性の確保から、心付けを全面的に禁止している葬儀社や施設が増えており、差し出しても「規則ですので」と丁重に断られるケースが少なくありませんが、その際の引き際もマナーの一つです。もし断られた場合、「どうしても」と無理に押し付けようとするのは相手を困らせるだけであり、場合によっては相手が処罰の対象になってしまう可能性もあるため、一度断られたら「そうですか、失礼いたしました」と素直に引き下がるのがスマートな対応です。そして、「お気持ちだけ頂戴いたします」と言われたら、それは「あなたの感謝の気持ちは十分に伝わりました」という意味ですので、言葉での感謝を重ねて伝えることで、金銭以上のコミュニケーションを成立させることができます。それでも何かお礼がしたいという場合は、現金ではなく、個包装されたお菓子やペットボトルのお茶などを「休憩の時に皆さんでどうぞ」と差し入れる方法であれば、受け取ってもらえる確率が高くなります(ただし、これすら禁止されている厳しい現場もあります)。また、後日アンケートなどで「スタッフの〇〇さんの対応が素晴らしかった」と具体的に評価してあげることも、相手にとっては大きな励みとなり、会社からの評価につながるため、現金以上の「心付け」となることもあります。心付けを断られることは恥ずかしいことではなく、むしろその施設の健全性やスタッフの真面目さを証明するものですので、断られたからといって不快に思わず、その潔さを称えるくらいの心の余裕を持ちましょう。「受け取ってもらえなかったお金」は、浮いたお金としてポケットに入れるのではなく、香典返しをランクアップさせたり、お布施に上乗せしたりして、別の形で故人のために使うと良いでしょう。