大人が葬儀でローファーを履くとマナー違反と言われる一方で、中高生が制服にローファーを合わせて参列しても誰も咎めないのはなぜでしょうか。それは、学生にとっての「制服」が、冠婚葬祭すべての場面における「最上級の正装(礼服)」として社会的に認知されているからであり、その制服の指定靴あるいは推奨靴としてローファーが採用されていることが多いためです。学生服(学ランやブレザー、セーラー服など)は、本来軍服や礼服にルーツを持つフォーマルな衣服であり、それに合わせる靴として学校側がローファーを指定している以上、それが学生にとってのフォーマルシューズとなります。したがって、茶色やキャメルのローファーであっても、それが学校指定であればマナー違反にはなりませんが、もし選べるのであれば「黒」を選んだ方が、葬儀の場には馴染みやすく、より丁寧な印象を与えるでしょう。また、学生であっても、大学生になると制服がなくなるため、大人と同じマナーが求められるようになり、リクルートスーツにローファーを合わせるのは「就活生みたいで頼りない」「TPOをわかっていない」と見なされる可能性があるため、紐靴やパンプスに切り替える必要があります。学生時代は「子供だから」「制服だから」という特権で守られていますが、制服を脱いだ瞬間から社会人としての足元マナーが問われるようになりますので、卒業を機に冠婚葬祭用の一足を揃えておくことが、大人への第一歩と言えるかもしれません。